前回はユニーク型ロキールさん達のご協力によって、死体が通常のタイミングで消えなくなるのは稼働中クエストのエイリアスが適用されているのが原因、だということが発覚したわけなんですが、他の「消えない」NPCの死体についても果たしてそういった「エイリアス」が原因なのかどうか、確かめてみたいと思います。
ちなみにおばちゃんは最初、いつまでも死体が消えないというNPCは、なんらかのクエストの目的対象(Objective)に指定されたことがある者なんじゃないか…と疑っていました。
クエストアイテムがリスポンの浄化から逃れていつまでも残るように……クエストのマーカーが指し示す対象となった者の死体も何かしらの保護機能が働くのではないか、と思ったんですよね。
しかし死体が消えないNPCの中には、クエストの目的対象にはなっていない者も一緒に混じっていたりするので、おかしいな……と首をひねっていたのです。
たとえば……Dragonbornのしょっぱなでケンカ売ってくる信者さんとか。

DLCの「Dragonborn」を導入すると押しかけてくるミラーク先輩のファン、もとい信者達……この二人の死体も、おばちゃんの環境ではいつまでたっても消えずに残っている非常に邪魔な死体です。
この信者さんの片方は「信者の命令」という、クエストの目的対象となる手紙をインベントリ内に持っているため、上画像のようにクエストターゲットのマーカーのアイコンが出ます。
死体が消えないのはもしかしてそのせいなのでは……と思っていたのですが、しかしもう片方の相棒の信者さんも、特にアイコンが出るわけでもないのに、死体が消えないのですよね。
死体が消えない原因はクエストの目的対象になったことがあるかどうかではなく、稼働中のクエストのエイリアスが現在も適用されているかどうか、なのだとしたら……二人の死体が揃って消えないわけも納得できます。
二人とも恐らく、同じクエスト内の似たような仕組みのエイリアスを適用されているでしょうから……共にエイリアスが外れていないという状況である可能性は高いです。
ちなみにこの信者の二人は、「DLC2CultistAmbush」(カルト信者の待ち伏せ)というクエストの「Cultist1」「Cultist2」というエイリアスを演じています。
しかもこの二人って、このクエスト内で自動生成されるタイプのNPCなんですよね。
RefIDの先頭がFFで始まる、花のようにはかない命のNPCのくせに、こんなにいつまでも消えずに残っているとは……実にたいした根性です。
Dragonbornのメインクエを終えたセーブデータでクエストの状況を確認してみました。

このセーブデータでは信者の遺骸はホワイトランの鍛冶屋脇のドブ川に捨ててます。
さて、この二人のエイリアスが所属する「DLC2CultistAmbush」クエストが、現在どういった状況にあるのか、ドラゴンボーンのメインクエストを一通りクリアした後のウルフリック首長のプレイデータで調べてみることにしました。
このセーブデータでは信者の遺骸はホワイトランの鍛冶屋脇のドブ川に捨ててます。
「getstage DLC2CultistAmbush」とコンソールコマンドを使って、クエスト状況を調べてみると……現在のステージは「10」です。
ちなみに「DLC2CultistAmbush」クエストが終了となるステージは「255」。
ミラーク卿はとっくにお亡くなりになっているというのに……案の定、この信者さん達のクエストは思いっきり稼働中でした。二人のエイリアスも恐らく、適用されたまましっかり生き続けているかと思われます。
それにしても、いったいどうしてこのクエストがいつまでも終了せずにいるのかと原因を調べてみたんですが……はっきりとは断言できないのですが、クエストがいつまでも終わらないのは、単純なスクリプトの条件ミス?のせいなんじゃないか……という気がしました。
(補足)「DLC2CultistAmbush」クエストが終了しない原因について
「DLC2CultistAmbush」クエストの終了は、どうやらプレイヤーのエイリアスに付けられた「DLC2WECultistAmbushPlayerScript」というスクリプトによってタイミングを操作するつもりだったようです。そのスクリプトを見る限りでは、信者の襲撃の一幕が終わって、プレイヤーが襲撃の行われた場所から離れた際に、クエスト終了する予定だったもよう……。
でもその判定の行われる条件式が、おばちゃんの見るところ、不等号の向きが逆なんじゃないかと思われるのです……(汗)
まさかプロがこんなうっかりミスをやらかす筈はないと思うんですが……ハハハ、まさかねえ。
実はこのクエストが終了となるステージ「255」には、ご丁寧に信者二人の死体が「disable(非表示)&delete(削除)」されるようなスクリプトがあらかじめ設定されているのですよね。
なんでここまで用意周到に準備しておきながら、肝心のステージ255には一向にたどり着かない、ということになるのか謎ですが……これが10年くらい先をイっちゃってるベセスダ・クオリティって奴でしょうか。まあ、スカイリムではよくあることですね(笑)
ちなみにこのステージ255のスクリプト処理をあらかじめ削除した状態で、「StopQuest」してみたらどうなるのか試してみましたが、二人の信者の遺体は24時間待機後にしっかり消えていました。
どうやらスクリプトでわざわざ削除しなくても、クエストが終了し、二人に適用されていたエイリアスが消えれば死体は自動的に消えてなくなるようです。
やはりこの信者の二人に関してもエイリアスの有無が、死体が消えずに残るという現象の鍵を握っていたようですねえ……
さて、お次は……死霊術師プレイで「おすすめ」とされるNPCの死体の中から、検証対象を選んでみたいと思います。
…とはいっても、おばちゃんの手元にあるセーブデータの中では、サンプルとして使えそうな死体があまり無いのが困りものなんですが……さいわいデイドラ・ペライトのクエスト「唯一の治療法」は完了していますので、「消えない死体」として有名なオーチェンドール氏の死体を調べてみることにしましょう。
死霊術師にわりと人気(?)のオーチェンドール氏の死体

過去記事を見てみたら、ブサーダムズに食器を拾いに行ったのは2012年12月…かれこれ一年以上前のことなのに、オーチェンドール氏の死体はつい最近死んだみたいな様子で現場に残っていました。
さすが、自宅でいつまでもストック可能、と評判の死体ですね。
さて、オーチェンドール氏の出演するクエスト「唯一の治療法」は「DA13」というクエストです。
そのクエストの最終ステージは「100」……「getstage」で現在のステージを調べてみると、スペルブレイカーをゲット済のこのデータでは、最終ステージの100にきちんと到達しているようでした。
ううむ、クエストは終わっているように見えるのに……おかしいですね。
しかしよくよく見てみると、このクエストの最終ステージ「100」には「Complete Quest」(クエストジャーナルが完了扱いになるフラグ)のチェックは入っているのですが、「Shut Down Stage」(このステージに達するとクエストが終了するというフラグ)にはチェックは入っていません。
またスクリプトなどで直接「stop()」している様子もありません。
これは……最終ステージに到達していても、クエスト自体は終了していないのでは……?
「DA13(唯一の治療法)」のステージ100

そんなわけで、「StopQuest DA13」とコンソールコマンドでこのクエストを強制終了させてみたのですが、予想に反して、オーチェンドール氏の死体は消えてはくれませんでした。
あれ、この人が消えないのはエイリアスのせいじゃないのか……?と最初は悩んでしまったのですが、オーチェンドール氏の死体をリバーウッドに移動させてから24時間待機してみると……死体はすんなり消えるのです。
つまり、オーチェンドール氏の死体が消えないのは、「ブサーダムス」という場所自体にもなんらかの原因がありそう……ということですね。
犯人はコイツでした。

「ブサーダムズ」のセルの設定を調べてみると、「BthardamzZone」というEncounter Zoneの設定の中に、「Never Resets」(リセットしない)というチェックが思いっきり入っていました。
おそらく、このチェックが入った場所では、死体消去やリスポンなど初期状態へのリセットが行われなくなるのではないかと思われます。
…ん、待てよ、ということは、Hearthfireで追加されたレイクビュー邸なんかも、ここでまとめてリセット禁止にしたら、アイテムがいちいちリスポンしなくなるのでは……?
…なんて思いましたが、もしかすると地下室にスキーヴァーとかが沸くイベントの都合上、レイクビュー邸をまったくリセットしない、という設定にするわけにはいかないのかもしれません。
ま、そんな余談はさておき、この「BthardamzZone」の「Never Resets」のチェックを外した状態で、オーチェンドール氏の死体が消えるかどうか試してみましたら、やはりこのリセットの設定が悪さをしていたと見えて、ちゃんとブサーダムズでも死体が消えるようになりました。
もちろん死体が消えるようになるのは、「DA13」クエストを「StopQuest」した後でのことです。
やはりオーチェンドール氏もエイリアスが原因でストック可能な死体と化していたと考えられます。
ちなみにこの「DA13」クエストがなぜ終了しないまま放置されているのか、ということなんですが……
はっきりとはわからないのですが、この「唯一の治療法」というデイドラのクエストは、もしかするとゲームの稼動中はずっと存続し続けていなければいけない理由があるのかもしれません。
実はこの「DA13(唯一の治療法)」というクエストは、ランダムで遭遇する「感染した避難民」のクエストの発生条件にからんでいるのです。
(「唯一の治療法」を完了していると「感染した避難民」がプレイヤーを襲ってくるようになります)
SM様がその条件判定を行うには、「DA13」クエストのプロセスが完全に止まってしまった状態では何か支障があるのかも……
だから「DA13」はクエストジャーナル完了後も稼動しつづけており、オーチェンドール氏に課せられた使命…エイリアスはいつまでも消えずに残っているのかもしれません。
世界に何かしら影響のあるクエストの関係者だったということが、死体をこの世に繋ぎとめる「鎖」になるなんて……死後も無理やり働かせられてるみたいで、たまらないですね。
さて、お次の検証対象は、ソリチュードで処刑されたロッグヴィル氏……です。
この方の死体は、例の死体安置所(WIDeadbodyCleanupCell)に飛ばされてしまうので、「消えない死体」として名前が上がっているのをあまり見たことがありませんが、少なくともおばちゃんの環境下ではこの方の死体はかなり長いこと消えずに死体安置所内に残っています。
彼は首を斬られる前、「今日…俺はソブンガルデに行く」なんて言っていたのに、いったいどうして成仏できなかったんでしょうか。
そんなわけで、この人の死体が消えない原因についても調べてみたいと思います。
斬首された首も忘れずに死体安置所に運んでもらえたロッグヴィルおじさん。

おばちゃんは最初、この方の遺体がいつまでも消えずに残っているのは、彼の形見のタロスのアミュレットを身内のグレタさんに届けるクエストをまだ完了していないせいなんだろうと、軽く考えていました。
しかし、そのクエストをちゃんと終えても、まだ死体が残っているのです。
ちなみにロッグヴィル氏の出演するクエストは計2つ…… ソリチュードでの公開処刑のシーンが包括されている「SolitudeOpening」というクエストと、それからタロスのアミュレットを届ける「SolitudeFreeform03(恩寵への帰還)」というクエストです。
「SolitudeOpening」の公開処刑のクエストの方は、ロッグヴィル氏が死に、この死体安置所に送られる頃には自動的にクエスト終了となっています。
念のため「getstage」で状況を確認してみましたが、やはりこのクエストは最終のステージ200にきちんと到達しており、スクリプトの「stop()」でクエストはしっかり終了しているようでした。
「SolitudeFreeform03(恩寵への帰還)」クエストの方も、タロスのアミュレットをグレタさんに届けた後は、最終ステージの200となり、こちらもクエスト終了となります。
念のためこの二つのクエストを「StopQuest」してみましたが、それでもやはりロッグヴィル氏の死体は消える気配がありませんでした。
なぜでしょう? 彼の死体が残り続けているのは、クエストのエイリアスの有無とはまた違う、他の新たな原因があるためなのでしょうか……?
そんなわけで、まずはロッグヴィル氏の死体の消えない原因が、彼の参加するクエストにあるのかどうかを調べるために、上記の2つのクエストのエイリアスからロッグヴィル氏の指定を外した検証用Modを作ってニューゲームしてみました。
すると、その二つのクエストから何の関係もなくなったロッグヴィル氏の死体は、通常通りちゃんと消えるということがわかりました。(スクリプトがついているので死体安置所には送られますが)。
また、公開処刑の「SolitudeOpening」クエストの方のみ、出演をキャンセルし、「SolitudeFreeform03」のお届け物クエストの方だけ参加してみると、そのお届け物クエストを完了しさえすれば死体は問題なく消える、ということが確認できました。
つまり、諸悪の根源はソリチュード公開処刑の「SolitudeOpening」の方なんです。
このクエストの何かが、ロッグヴィル氏の死体を消えなくしているのですよね。
ロッグヴィル氏の代役として、急遽公開処刑シーンに出演することになったロキールさん。


これから斬首されるというのに……なぜ、この人、こんなに嬉しそうなの?


代役が処刑されたというのに様子も見に行かないロッグヴィル氏。くつろぎすぎです。

上スクリーンショットのように公開処刑クエストの囚人役をロキールさんにお願いしてみると、今度はロキールさんの斬首死体がまったく消えなくなりました。
しかし単なる観客役としてロキールさんを公開処刑クエストのエイリアスに追加してみると、そちらの場合はちゃんと死体は消えるんですよね。
つまり……死体が消えなくなるのは、公開処刑のクエストに参加したから、ではなく、ロッグヴィル氏が務める「Prisoner」という囚人役のエイリアスを演じたから、なのです。
「Prisoner」役を演じている最中に、いったい何が、その役柄を演じていた役者さんの身に起こったというのでしょう……?
もしかして、首を斬られるシーンのどこかで、死体が消えなくなるようなスクリプトでもかけられたんでしょうか……? あるいは……他の出演者たちやトリガーなどについているスクリプトが、罪人である囚人役の死体に何かしら干渉するようなことをしているのでしょうか……?
そんな思いつく限りの可能性を確かめてみるために、これが原因ではないか?と思われる要素を削った検証用のModを作成して、ニューゲームして結果を確かめてみるということを死ぬほど繰り返しました。
でもね、公開処刑のシーンをカットしても、出演者たちのスクリプトを全削除しても、どう頑張っても、ロッグヴィル氏の死体は消えない!のです。
ソリチュードの門を入った瞬間に、公開処刑のクエストが全終了となるようにスクリプトを改造しても、それでもダメなんです。
「Prisoner」というエイリアスに一秒でも入った瞬間に、死体は消えなくなる。
なんなんですか?これ……いったい何の呪いがこのエイリアスにかかってるんです?
さっさとソブンガルデに逝けよおおおお。

なんかもう、あまりにも検証に苦労させられたので、しまいにはこのヒラメ顔のおっさんを見ただけで吐き気がするようになってきてしまいました。でも降参するのは悔しすぎるので頑張りましたよ。
で、結局、正解は何だったと思いますか?
答えが判明してみると、なるほど、という感じではあったのですが、本当に最初はまったく見当もつかなくて検証中は何度も心が折れそうになりました。
犯人はコイツです……おばちゃんの正月休みを返せ。

この囚人の手錠というのは、オープニング時にはプレイヤーも装着していたことのある装備品なんですが、ロッグヴィル氏が所持しているこちらの手錠は、プレイヤーは装備不可の代物ですので、普通にインベントリを覗いただけではその存在を確認できません。
そのせいで発見が遅れた、というのもあるんですが……まあ、その話は置いておいて。
「showinventory」というコンソールコマンドでロッグヴィル氏のインベントリを覗いてみると、この囚人の手錠をなぜか2つも所持しているのがわかります。
ちなみに一つは、ロッグヴィル氏のOutfit装備である「SolitudePrisonerNoShoesOutfit」の中の物です。囚人のデフォルトの装備として、「粗悪なチュニック」と「囚人の手錠」はもともとセットでロッグヴィル氏に与えられているのですね。
ではもう一個の「囚人の手錠」はどこからやってきたか、というと……これ↓がその手錠の出自です。
公開処刑クエスト(SolitudeOpening)の「PrisonerCuffs」エイリアス

二つ目の「囚人の手錠」の正体は、なんと「PrisonerCuffs」というエイリアス!だったのです。
この「PrisonerCuffs」(囚人の手枷)というエイリアスは、公開処刑の「SolitudeOpening」の小道具として用意されているエイリアスで、同クエストが開始された瞬間に、「Prisoner」という囚人役のエイリアスのNPCのインベントリ内に直接自動生成されます。
つまり、一瞬でも誰かが「Prisoner」のエイリアスに入った瞬間、その持ち物の中に自動的に湧くというしくみです。だから「Prisoner」役を一瞬演じただけで、死体が消えなくなる因業を背負ってしまうというわけなんですね。
ちなみにこの「囚人の手錠」、いったい何のために生成されたものなのか、さっぱりわかりません。
いちおう、「Prisoner」役の囚人に装着させたかったようなのですが……もともとロッグヴィル氏は手錠をデフォルトで装備していますし、それに手錠を装着させるスクリプトはコメントアウトされていて実行はされていません。
はっきりいって、このエイリアス、リソースの無駄だと思う……。
さて、この「囚人の手錠」を持っているというだけで、なぜ死体が消えなくなるのか、ということについてなんですが……これはちょうどアレと同じ原理なのではないかと思います。
「アレ」というのは、死霊術師プレイを行う際に、これをインベントリに入れておくと死体が消えなくなる、とされている保存用のアイテムです。
たとえばシャウトを使った時に配達人が届けにくる「友達からの手紙」や、山賊退治などを引き受ける時に貰う「賞金首の布告」なんてのは、そういった「保存剤」として使えると言われています。
おばちゃんはまだ、プレイ中にそういった保存剤のお世話になったことがないので効果の程はよくわからんのですが、実はあれ、ちょっと不思議に思ってたんですよね。
だって「友達からの手紙」や「賞金首の布告」って、別にクエストアイテムというわけじゃないでしょう?
それなのにどうしてアレを入れておくだけで死体が消えなくなるのかなって……
しかも、あのテの手紙って何度ももらえるわけじゃないですか。過去に発行された手紙のすべてが死体を保存する効果を発揮するんですか?……いったいどういう理屈で??
しかし今、こうしてクエストが完全終了しているのに、ロッグヴィル氏の死体を保存する力をバリバリに発揮している「囚人の手錠」を目の前にすると……こう思わざるをえません。
エイリアスによって生成されたオブジェクトは、クエスト終了後もエイリアスの特性を保ち続ける……のではないかと。
スクリプト付きで生成されたオブジェクトが、たとえ途中でそのスクリプトを削除されてもしつこくそのスクリプトを呼び出し続けるように……オブジェクトは最初に生成された時の状態や特性を、根幹の部分に刻みこんでしまうのではないでしょうかねえ。
まあ、エイリアスによって生成されたオブジェクトが「人」だった場合は、クエスト終了後はサックリ死体は消えますんで、この仮説は成り立たんなあ、とも思うんですが……
まあ、どんな理屈であるにしろ、エイリアスとして生成されたアイテムが、NPCの死体を消滅させない保存剤としての効力を持つ……というのは確かなようです。
ためしに、エイリアスとして生成した適当なお皿をロキールさんの死体に突っ込んでみたら、死体は通常の死体消去のタイミングでは消えなくなりました。
(永久に消えないかどうかは確かめるすべがありませんが)
1分で作ってみた保存剤。適当な宝箱に適当なお皿を生成しただけ…です。

このお皿には、別にクエストアイテム(Quest Object)のチェックは入れていません。また、このお皿をロキールさんの懐に突っ込む前に、お皿を生成したクエストそのものはきちんと終了させています。
それなのにお皿は死体を保存する効力を発揮するんですから……やはり、エイリアスとして生成されたという出自そのものが、保存剤としての効果の要因となりうるのでしょう。
死体をいつまでも保存したい、という方は、このテの保存剤アイテムを作ってNPCに持たせておけばいいかもしれませんね。
そんなわけでロッグヴィル氏も保存剤となっていた「囚人の手錠」をインベントリから「removeItem」して削除したら、あんなにしつこかった死体が嘘みたいにあっさり消えてくれました。
まったく、こんな隠しアイテムみたいな状態で「保存剤」を持ってるなんて……卑怯ですよね。
さて、だいぶ長くなって参りましたが、最後に、志半ばにして倒れたこの方たちの未練を断ち切り、魂だけでなく死体も浄化してソブンガルデに送ってさしあげたいと思います。
内戦クエスト(帝国側)をクリアして手に入れた貴重なサンプルです。

改めて書くまでもありませんが、この主従の死体もずっと「消えない」ということで有名なコンビですね。
死霊術師プレイをされている方からは、「シャウトが使える」「うーうー言わない」など有難がってもらえるのが嬉しいんですが、死体に用のないプレイヤーにとっては、王の宮殿のテーブルで男体盛りをするくらいしか使い道がない…というのが哀しいところです。
ちなみにテュリウス将軍やリッケさんなども、あの死体安置所送りにさえならなければ、この主従のように死体はずっと消えずに残るタイプだったのではないかと思われます。
彼らの活躍する内戦のクエストがそもそも、どちらかの勝利でカタがついても、「しかし俺達の戦いはまだまだ続く…」みたいな中途半端な終わり方をしますからね。
ウルフリック首長もガルマル氏も、おそらくそういった内戦関連のクエストのエイリアスが仰山残っているのではないかと思われます。
対象がどんなエイリアスに入っているか調べられる魔法の呪文「ShowVars(SV)」

ちなみにごく最近になって知ったのですが、コンソールコマンドの「ShowVars」(SVでも可)というコマンドで、なんとNPCにどんなエイリアスが現在適用されているかが調べられるんです。
ああ、このコマンドをもっと早く知っていたら検証がうんと楽だったのに……でもこれでどなたでも簡単にエイリアスの有無が分かりますんで、死体を調査することができますね。
NPCになんらかのクエストのエイリアスがかかっている場合は、上画像のように、
--- Papyrus - Alias XXXXX on Quest YYYYY (zzzzzzzz)
というような形式の表示が出ます。
「XXXXX」がエイリアス名、「YYYYY」がクエスト名、「zzzzzzzz」がクエストのIDです。
エイリアスがいくつも被さっているNPCは一画面では情報が収まらないので、「PageUP」や「PageDown」キーでページをスクロールする必要があります。
そんなわけで「ShowVars」コマンドで、内戦クエスト(帝国側)完了後のウルフリック首長の死体を調べてみると、以下のようなクエストのエイリアスが残留していました。
・「CW」クエスト……「Ulfric」(ウルフリック役)
・「CWObj」クエスト……「Ulfric」(ウルフリック役)
・「CWReservations」クエスト……「Ulfric」(ウルフリック役)
・「DialogueWindhelm」クエスト……「JarlBackup」(首長のバックアップ役)
・「HousePurchase」クエスト……「WindhelmJarl」(ウィンドヘルム首長役)
「CW」というのは「Civil War」の略字ですので……CWの接頭辞があるのは内戦関連のクエストです。・「CWObj」クエスト……「Ulfric」(ウルフリック役)
・「CWReservations」クエスト……「Ulfric」(ウルフリック役)
・「DialogueWindhelm」クエスト……「JarlBackup」(首長のバックアップ役)
・「HousePurchase」クエスト……「WindhelmJarl」(ウィンドヘルム首長役)
やはり内戦関連は沢山残っていますね。内戦が終わった後も、それぞれの地方の警備体制や野営地などの配置にも関係してきますから……簡単にはクエスト終了できないのでしょう。
「DialogueWindhelm」クエストというのはウィンドヘルムの街の住人の行動や会話などを総括するクエストです。ウルフリック氏はそのクエストで生前は「Jarl」という首長役のエイリアスを務めていたのですが、内戦完了のタイミングで首長のバックアップ役に降格されたようです。
ウルフリック氏の場合は、ベレソアさんがバックアップのイソルダさんに役を譲った時みたいに、エイリアスを降りたりはしないんですね。補欠だったブランウルフ氏とエイリアスを交代するだけで。
「HousePurchase」クエストは、各街の家購入関連のクエストです。こちらも他の街と一緒の仕組みで動いているクエストなので、ウルフリック首長が死んだからといって終わりにすることはできないのでしょう。
これらのクエストは、ゲームの進行上、終了させることはできないものと思われますが、実際にウルフリック首長の亡骸を現世につなぎ止めているのは本当に上記のクエストのエイリアスかどうか知りたかったので、試しに全部終了させてみることにしました。
残留していたクエストをすべて「StopQuest」して、この世の未練をなくしました。

「ShowVars(sv)」コマンドで確かめてみると、ごらんのように綺麗さっぱり、すべてのエイリアスが消えてなくなりました。これでウルフリック首長も心安らかに成仏できるはずです。
そして……ちょっとドキドキしながら他所で24時間待機をして「王の宮殿」に戻ってきてみると……
ウルフリック首長の死体だけでなく、隣に居た熊の死体まで綺麗に消え去っていました。
あの熊め……マジでオブリビオンの底までついていったみたいです。

まさかガルマルさんまで消えるとは……念のため、成仏する前のガルマルさんの死体を調べてみましたら、「HousePurchase」クエスト以外、ウルフリック首長と同じクエストのエイリアスが残存していました。
まあ、ほとんどウルフリック首長と行動を共にしていた私兵ですから、出演するクエストがカブっていたのは当然といえば当然ですが、ウルフリック首長の因業を消し去っただけで、あの熊まで一緒に成仏してしまうとは……とても複雑な心境です。男の執念って怖い。
そんなわけで死体が消えずに残る原因として、おばちゃんが今のところ確認したのは以下の3つです。
・死体に稼働中のクエストのエイリアスが適用されている
・死体のある現場が、リセットされない設定になっている
・死体のインベントリに、エイリアス由来のアイテムが入っている
なにぶんそそっかしいおばちゃんの調べたことですので、間違っていたり勘違いしていたりという可能性は大ですが、もし「それは違う」だとか「この他にもこういう場合がある」だとか、お気づきの点がありましたら教えてくださるととても嬉しいです。・死体のある現場が、リセットされない設定になっている
・死体のインベントリに、エイリアス由来のアイテムが入っている
こんな長々としたまとまりのない文章を最後までお読みいただき、どうも有難うございました。