12月 2013 | おばちゃんのスカイリムガイド

2013/12/09

タロス巡礼の旅(14)~フォールフォレスト・帝国の黄昏~

スカイリム各地のタロス像をすべて制覇しに行こうという物好きな旅の第十四回目です。
さて前回はハイ・フロスガー前のタロス像に参詣したわけなんですが、記事の分量の都合もあって肝心のハイ・フロスガーには立ち寄ることができませんでした。
ハイ・フロスガーは、ウルフリック首長にとっては少年時代を過ごした第二の実家みたいなものです。
いくら破門されたとはいえ、こんな近くまで来たのに挨拶もしないで下山するというのはあんまりなので、今回はまず師匠さま達のご機嫌伺いを済ませてから、お遍路の続きに戻りたいと思います。
お久しぶりです、師匠……休戦の講和会議の時は興奮しちゃってスイマセンでした。

ハイ・フロスガーの中を覗いてみると、アーンゲール師、ウルフガー師、ボッリ師のお三方は建物内にいらっしゃったのですが、アイナース師は一人、中庭の「旋風の疾走」練習用の門の向こうの、絶壁近くの岩場で修行していらっしゃいました。
まーたこのご老体はこんな吹きさらしの場所で瞑想なんかしてぇ……肺炎になっても知らんぞ、と半ば呆れながら見守っていると、アイナース師が立ち上がる様子を見せたので、「どーもご無沙汰してます」とご挨拶することに。
しかし間が悪いというか何と言うか、ウルフリック首長が近づいた瞬間、ご老体はいきなり「……ロダ!」と大絶叫しやがりました。

ビックリして思わずコンソール画面に入ってしまいましたが(おばちゃんはマウスのサイドボタンにコンソール画面に入るキーを割り当てていまして、何かあると反射的にそれを押してしまいます)時間を止めてみたところで一度出ちゃったシャウトを元に戻せるものでなし……どうすることもできません。
カメラの角度を変えて見てみると……あららー、これはフスロダの弾道に完全に入っちゃってますね。
つーか位置的にヤバくないすかコレ。この崖って転落防止用のネットとか付いてない……よね?

絶賛落下中

いやー、師匠達が中庭で時々シャウトの練習をしてることは知ってはいましたが、まさかアタリ判定のある本物のシャウトを繰り出していたとは……
てっきりモーションと効果音だけの、単なる修行風景の演出シーンかと思ってました。
…というか常識的に考えて、周りに人がいる時、しかも落ちたら死ぬような高い場所にいる時に、無闇にフスロダ叫んじゃいかんですよね!!!
危ないでしょ!…ってかフツーに死にましたよ!まったくもう……

しかしまあ、十年も面倒見てもらっていたのに、突然修行を放り出して戦争に行ってしまった不肖の弟子ですから、このくらいの仕打ちを受けるのは当然なのかもしれません。
ちなみにウルフリック首長の年齢(45~55歳位?)を考えると、ハイ・フロスガーに召喚されたのはどんなに遅くても十代半ば……ヘタするとまだ紅顔の美少年じゃがいもだった頃かと思われます。
その当時の状況を改めて想像すると、ウルフリック少年が不憫で泣けてきます。
遊びたい盛りの男の子がこんなクソジジイ養成所に十年もブチこまれていたなんて……まあ、本人曰く、グレイビアードの後継者に選ばれることは大変な名誉だった、とのことですが、しかしそんな人間国宝になる代わりに一生「おしゃべり禁止」ってのは、どう考えても割に合わんですよ。
ウルフリック首長の人格や会話がちょっと痛い感じなのは、そんな少年時代のコミュ不足が原因なんじゃないかと思われます。
なので、いろいろムカつくことはあると思いますが、少し大目に見てあげてください。
アーンゲール師匠と記念撮影

グレイビアードの服って、初めて着てみたんですが、ウルフリック氏でも結構似合いますね。
還俗せずに、ここで一生禁欲的な人生を送るのもそれはそれでアリだったかも。
どーせシャバに降りても女っ気のない人生だしね(笑)
プレイヤーのドヴァキンさんの前に最年少のグレイビアード「ウルフリック師」として登場するような展開も、ちょっと見てみたかったなあ。
ドヴァキンさんの才能に嫉妬して、こっそりブレイズにパーさんを売るような、裏切り者の兄弟子キャラとかお似合いなんじゃないかと思います。
ついでに四人のお師匠さま達の見分け方
慣れないうちはまるで四つ子のように見えるグレイビアードの面々ですが、おヒゲの形がそれぞれ違いますので、見分けるのはそこに注目すれば間違いないです。
最古参のアーンゲール師は一目瞭然、おヒゲの先っちょをくるんと縛ってラブリーにまとめています。
旋風の疾走のシャウトをプレイヤーに授けてくださったボッリ師は、四人の中で一番おヒゲが短く、顎を覆うくらいの長さしかありません。またHappy50のムードがついているので、気難しそうなアーンゲール師とは違い、どことなく微笑んでいらっしゃるように見えるのがポイント。
一方、旋風の疾走のお手本をわざわざ見せてくださったウルフガー師のおヒゲは、横方向にぼわっと膨張していて、こめかみの辺りから顔の下半分をすっぽり覆っていらっしゃるのが特徴です。
またこの御方は、Weight5.0という「何か食べないと死ぬ」ような体型でいらっしゃるためか、インベントリにチーズだのパンだのはちみつだの、食料を常時持ち歩いていらっしゃいます。
最後のアイナース師は、さきほどウルフリック首長を千尋の谷に突き落とした方ですが、メインクエストではフスロダの第二段階目を教えて下さったり、またプレイヤーに非協力的な偏屈ジジイアーンゲール師をたしなめてパーサーナックス師匠とお話できるように取り計らってくださったりもした御方です。
この方のおヒゲは縦方向にじょろっと毛筆のように長いのが特徴ですね。またsad50のムードがついているためか、そことなく悲しげな表情をなさっているのも印象深いです。
こうして改めて見てみると、お師匠さま達はそれぞれユニークな個性や顔立ちをなさっていて、キャラもきちんと立っているのだなあと思います。
パーサーナックス師匠にもご挨拶しに行きました。

さきほど落下の最中に見えたドラゴンの姿は、どうやらパーさんではなく、オダさんだったみたいです。
オダさんってずっとここに住むことにしたのでしょうかね??
おばちゃんはいまだパーサーナックスを始末しろというブレイズの指令を完遂したことが無いのですが、ここでパーさんを殺ろうとしたらオダさんはどっちの味方をするのかしら……。
まあ、やってみればすぐに分かることなんですけども、これだけはどうも気が進みません。

さて、「世界のノド」まで訪問していたらだいぶ遅い時間になってしまいましたので、この日はハイ・フロスガーの片隅に寝袋を敷いて休み、次の日、朝イチで下山することにしました。
まだ日が昇らない暗い時間に出立したのですが、アーンゲール師はすでに中庭で瞑想をなさっておいででした。ホント高齢者の朝は呆れるくらい早いです。

ところで今回の目的地はリフト地方の西南、「フローキの小屋」の近くです。
そんなわけで順路としては、一旦イヴァルステッドに戻ってから南に向かおうと思うのですが、一度辿った七千階段を再び戻るというのは正直あまり面白いものではありません。
しかしこの山を降りないことにはどうしようもないしなあ……と思いながらトボトボ下山していると、往路でも立ち止まって景色を眺めた「ハエマールの不名誉」の近辺で、ふと妙案が浮かびました。
よくよく地形を見てみると……この赤矢印のルートなら、簡単に下の街道に降りられそうじゃない?

しかしこの段差、フォロワー達はさすがに付いてこれないだろうなあ……
どんなに緩やかに見えようと、NavMeshというNPCが歩くためのプレートが繋がっていなければ付いて来れないのがスカイリムのお約束です。
まあ、付いてこれなかったとしても、しばらく放置してればいつの間にか近くに沸いたりしますが、しかし難易度レジェンダリーで服装備のウルフリック首長を「ぼっち」にするのは、短時間といえども避けたい。
そこで昨日、アイナース師から教わった必殺技を使うことにしました。

フス……ロ……ダ!!!

あんまり高いところから突き落とすと、NPCのモーションがバグってしまうので危険ですが、ま、このくらいの高低差ならば大丈夫でしょう。
これでだいぶショートカットできて時間の節約になりましたので、のんびり道草を楽しめます。
そんなわけで改めて、今回の順路はこちら。

七千階段の途中から「ハエマールの不名誉」の手前付近で、ヘルゲンから続く峠道の街道に飛び降り、そのままリフト方面へ。「錬金術師の小屋」を過ぎたら、「リフトの帝国野営地」と「ビサルフトの遺跡」の間を縫って「フローキの小屋」を目指します。
紫色のラインは前々回と同じ蛇足の寄り道です。この「アークウィンドポイント」に向かう山陰のルートって敵が絶妙なタイミングでわらわら出てきて面白いんですよね。十四番札所のタロス像の断崖絶壁から飛び込むという荒業で、皆さまも是非タロス像参詣とセットでお楽しみください。

さて崖下に落ちたフォロワー達と無事に合流して街道の峠道を進むと、ハエマールの不名誉を通り過ぎた辺りでサルモールのご一行様とすれちがいました。
また囚人を連れてます……今回はストクロ兵ではないようですが、もう騙されないぞ。
救出したらこの囚人がどこに向かうのか気になるところではありますが、触らぬ神に祟りなしです。
男ばっかりのサルモール班。ちょっとお話してみたいですが……やめておこう。

峠道を無事に越えて「錬金術師の小屋」の辺りまでやって来ると、周囲の景色は紅葉の色鮮やかな黄金色に包まれます。白一面の雪景色を見飽きた目にはとても嬉しい変化です。
リフト地方一帯を彩るこの紅葉樹林は、フォールフォレスト…「秋の森」と呼ばれています。
書籍「スカイリムのノルド」でも、「リフテン--秋の森の金色の影に位置し、極上の魚とハチミツ酒を生み出す街」…なんて、謳われている名物ですね。

そういえば今日は狼さんに全然襲われないな…と思ったら、昨日、七千階段の彫刻石板巡りをしたので「空の声」という、ムツゴロウさんスキルを会得していました。
この祝福、狩人プレイするにはもってこいかも、と思ったことがあるんですが、これって動物を一匹でも殺してしまうと効果が消えてしまうんですよね。
平和主義者のグレイビアードの総本山で貰える祝福なのだから、よく考えたら「殺生禁断」なのは当たり前なんですが……不殺プレイでもしていないと有難みがよくわからないかもしれません。
口をモグモグさせながらウルフリック首長の匂いを嗅ぐヘラジカさんが可愛い。

おねんねする熊さん。いつもは死神にしか見えないのに……かわゆす。

なんか後ろで嫉妬まるだしの目つきで睨んでる人が怖い(笑)のでこの辺でやめときますが……動物観察するのも結構面白いものですね。しばらく見守っていると、いろんな仕草を始めて、こんなモーションあったのか、と今更ながらびっくりします。
プレイヤーが近づくと敵対行動を取る動物の普段のモーションなんて、ほとんど誰からも注目されたりなんかしないだろうに、よく作りこんでいますね……あ、もしかして「空の声」って、そんな報われないモーションに日の目を見せる為のものだったりするんでしょうか。

さて、そんなこんなで動物天国の秋の森を突っ切って、スカイリムとシロディールの国境付近の山脈の麓に位置する「フローキの小屋」の近くまでやってまいりました。
十四番札所は、この小屋の近くから伸びている山道の先にあります。

「フローキの小屋」はオープニングのヘルゲンで出会ったハミング君がお祖父さんと一緒に暮らしてるおうちです。ハミング君が元気でやっているかどうか確かめたいところではありますが、お父さんを亡くした辛い記憶を思い出させてしまうかもしれないので、やめておきましょう。
…というか今、狩人の殺気マンマンのフローキさんと会ったら、「空の声」の効果が切れてしまいそう。

さて、フローキの小屋の南から蛇行する急な山道を登ってゆくと、辺りは再び雪模様に包まれます。
その雪すさぶ山道を登りきった先に今回の札所のタロス様がひっそりと背中を向けて立っています。
切り立った岩壁の影に身を隠すように一人佇むタロス像……
このタロス様の背中からはいつになく「支配者の孤独」とでも呼びたくなるような哀愁を感じるのですが、気のせいでしょうか。

こちらのタロス様の周りには、「帝国」に関係するアイテムが多く配置されています。

ちなみにゲーム内では、どういうわけかこれらのお供え物が四散しちゃってましたので(狐が荒らしたのかな?)、スクリーンショットはCKの画面を撮りました。
「帝国軍の剣」に「帝国軍の軽盾」に「帝国軍の兜」……タロス様の御前に奉納するには申し分の無いコレクションですが、この装備一式の持ち主、あるいは奉納者はどんな方だったのでしょうかねえ。
近年の内戦で命を落とした者か、あるいは先の大戦で戦った者か、あるいはもっと昔の名残か……
剣の柄にかけられた兜は、ヘルゲンの女隊長さんが身に着けていたのと同じものでしょうかね。
なんにせよ、下っ端の帝国兵などではなく、それなりの将の遺品であったことが窺えます。

置いてある二冊の書物は「王者のアミュレット」と「王者」です。
「王者のアミュレット」は前作オブリビオンをやったことのある人ならばご存知の通り、帝国の礎ともいうべき神器についての本。
「王者」の方は両手武器のスキル本なので、いつものお決まりの参詣者へのサービス品といえなくもないですが、王国の没落と再生を描いた古典四部作の最終巻、というのが気になるところ。
山を越えればシロディール、という国境近くのこんな場所で、これらの帝国にまつわる品々を見ていると、かの地は今、どんな状況になっているのかなあ、と思わずにはいられません。
特に「王者のアミュレット」などという前作の因縁のアイテム名を目にすると、かつての騒動の顛末が思い出されます。このタロス像の前に装備品を納めた人もきっと帝国を守ろうと散っていった人だったに違いなく……ああ、でも どんなに赤々と輝く太陽でも、いつか必ず沈むのですよねえ……
ノルドの古い王国エロルガードの物語のように、帝国の失墜した王権もまた、めぐりめぐって正統な継承者の元で思わぬ再生を遂げることになるのでしょうか……?

さて、そんな感傷は置いておいて……このタロス像の眼下の景色、天候が悪くて非常に見難いのですが、思わせぶりに古代ノルド遺跡のゲートのようなものが続いて建っているのが見えるかと思います。

これが先ほどちらとご紹介した、「アークウィンドポイント」へと続く道です。
ちなみにこの道は、付近にある「オータムウォッチ・タワー」の横の脇道から登ることができます。というかそちらがおそらく正規の入口です。
タロス像の方からこちらのルートに乱入するには、このような超斜面(というかほとんど絶壁)を滑り降りる必要があります。

この斜面を降りる時は、足元をよく見て少しずつ降りてください。間違っても一気にダイビングなどしてはいけません。
実はさきほど七千階段でやったみたいに、フォロワーをフスロダで突き飛ばしてから(酷い)自分も飛び降りたんですが、あやうく死にかけました。
山陰側のこの道はドラウグルの香りでいっぱいです。

この辺りは昔、強大な竜教団が幅を利かせていたりしたのでしょうかね……?
フォールフォレスト側からは見えない隠れたところに古代ノルドの遺物が点々と思わせぶりに配置されているので、最初にここを見つけた時はいったい何なんだろうとわくわくしました。
祭壇で死んでいた女ドラウグル。きっちり編み込んだ三つ編みが素敵です。

この髪型、プレイヤーキャラでも使いたいな……
女ドラウグルってよく見ると、かなりしどけない姿をしてますよね。鎧もつけてないし。
生前はどんな悩殺ルックで戦っていたのだろうかとつい考えてしまいます。
石棺からデス・ロードさんが登場するのはお約束です。

ここ、デス・ロードさんが出てきたと思ったら、スケルトンの団体様が到着したり、ドラゴンが助っ人に飛んできたりと、ものすごいカオス状態になるんですよね。
この道がアークウィンドポイントに続いている道だということを知らなかった初回は、マーカーも何もないこんな場所にどうしてこんな仕掛けが?!と仰天したものでした。
援軍のドラゴンがなかなか倒せないので、こちらもオダさんを呼びました。

それにしても、あんぎゃーとか咆哮しながらブレス吐きまくってるドラゴン二匹を眺めていると、人間がこんな怪獣相手に剣や斧を振り回すのってどうなのよ、と思えてきます。
少なくともその辺の主婦がダガー片手に挑みかかっていい対象じゃないよね。
レイロフ君、キミ、そんな近くにいてよく食われないなー。

ウルフリック首長はドラゴンの前方180度10メートル圏内にいるだけで確実にパクってやられるんですが(今回も二回ばかり食われました)、レイロフ君は全然大丈夫みたいです。
これは不死属性のキャラだからなんでしょうか。
それとも、ものすごく臭いとか……?(こないだお風呂入ったのに)
出ました女ドラウグル。死後のお姿でも悩殺されそうです。

アークウィンドポイントでもデスロード祭りとなりまして、あとからあとから沸いてくるドラウグルさん達の相手をしていたら辺りがすっかり暗くなってきてしまいました。
どうやら今夜はここで野宿となりそうです。
そんなわけで今回はフォールフォレスト西南の山陰部よりお送りしました。